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メンターインタビュー①〜ファブラボ阿蘇南小国/鈴谷氏〜

現場の人たちと共に作り上げていく事業

参加者インタビューに並行し、メンターの方々の視点もご紹介していこうと思います。第一弾はファブラボ阿蘇南小国の鈴谷瑞樹氏。鈴谷氏はファブラボ阿蘇南小国を通じていろんな地方のものづくりを応援したり、中小企業の方達のいろんな課題を解決する製品を開発するサポートをされており、メンター陣の誰よりも熊本について知る存在として絶大な支持を誇ります。

 

ー 鈴谷さんはメンター陣の中で唯一の熊本で働いてる方ですが、このプログラムの面白いと思われるところを教えてください。

まず、決定権のある方が直接プロジェクトに参加して意見を交換するというところ、そして東京の方から参加された方達の中に熊本出身の方が多いこと、そこらへんがすごく面白いなと思いました。

熊本出身で東京とか大都市で生活している人っていうのは、自分の半分が熊本の人、半分は東京の人の意見を話すことができると思うんですね。ずっと東京に住んでる人は、熊本で生きることとか、熊本での仕事とかを想像するのが難しいと思うんです。逆に、100%熊本でキャリアを積まれてこられた方は、東京や海外のマーケットのこととか、都市での生活の中にどうやって地方の製品を広げていくかというところになかなか想像が及ばないことが多い。そういう意味で、地元出身の方、熊本出身で東京とかで過ごされてる方っていう人たちが、地元でずっとものづくりされてた方達と一緒に意見を交換できるというのはとても必要な機会で、作ろうと思っても作れるものではないところが面白いなと思います。

ー 視点が熊本県民ならではですね。さすがです。プログラムを通してこういう機会に慣れている感じがしますが、メンターとして入る難しさは感じますか?

そうですね、普段の仕事で相談を受けてる時は、最後のプロダクトを出すところまで、面倒が見られるわけじゃないですか。でもこのプログラムでは、言ってしまえばちょっとアドバイスするだけ。最後まで面倒見れないかもしれない苦しさっていうのはあります。一番最初のところしかお手伝いできないとで、無責任じゃないかなっていう葛藤はあります。

ー アドバイスする難しさよりも、気持ち面での難しさの方が大きいですか?

そうですね、自分がアイディアとか意見を引き出してあげてても本当にこの人たちはこのまま最後までプロジェクトを進めていけるのだろうかという不安とかはあります。そのまま実現するかはわからないですけど、かなり決定権のある方達が参加してくれていて、非常にこのプログラムが有意義なものだという風に感じてくれているのが今の時点でわかります。だから、何か新しいアクションに繋がるんだろうなと思ってます。

ー きっかけ以上になるためにはどのようなアクションをしていけばいいのでしょうか。

地元企業の中で決定権のある方がこのプログラムに参加されているのがすごく面白いところですが、現場の方とのコミュニケーションが重要になってくると思います。

しかし、新しいことをやろうとするときはいつでも「そんなことやるの」という不満が社員から出たりすると思うんです。そこで、社員の方達の理解を深める時間とか、逆にその社員の方達からの意見を吸い上げる時間を確保する必要が参加されてる経営者は考えなきゃいけない時が出てくる。例えばそこで、実現に移す時にネックになるであろう社内の調整や、ベテランの技術者の方に「新しいことをやろう」って言った時に「いやいや、こういう理由でできなんじゃないの?」って言われた時のリアクションなどをプログラムの人たちと考えていく。むしろこの過程を無視しては、実際に作るのはその人たちだから、実際の製品まではたどり着けないと思います。加えてお客様方からお金をもらってくるのも現場の方達なので、彼らからのフィードバックをプログラムの中に入れるのは面白いかなと思います。

特に、今回来られてる方々は、親から事業承継を受けた2代目3代目の方達が多いことからも、彼らは先代時のベテラン社員の方々が若い人たちをつなげていく立場にあるのでこの過程は非常に重要となってくると思います。先代の方達が築き上げてきた生産体制であったり、お客様との関係性だったり、それをその承継した時点で社員の方達にその親であるとか先代と同じぐらい信頼されたいというモチベーションがあると思う。親父と同じくらい、新しいくらい乗り出して、この事業僕が作ったっていう実績にしてみたりだとかそういうそのモチベーションだったりが多い。そういう意味でこれは2代目の方が頑張って作った事業なんだねって応援するよって、現場の方々が言ってくださるような体制を一緒に作っていくと、実現の可能性が上がっていくんじゃないかなと思います。

ー 最後に、個人的に今後が気になる企業を教えてください。

キューネットさんとかのお客さんと接してお客さんの情報を自分たちでとってこれる人たちに魅力を感じます。どんなに高度なAIが発達しても、どんなに高度なシステムとかクラウドを使ってこうが、最終的にお客さんに接するところにニーズを引き上げるところを、ベンチャーとして一から立ち上げて整備しようとすると非常にハードルが高い。だったらテクノロジー方面は最先端じゃないかもしれないけど、お客様の情報とかニーズを敏感にとってこれるっていうのはベンチャーに比べて非常なアドバンテージがあると思うんですね。そういう意味で実働部隊、泥臭くお客様のところを回ってこれる部隊っていうのを持ってる人たちを非常に羨ましく思います。

ものづくりとか、ベンチャーとして、一から何かをやろうとした時にどうしてもネックになるのが実働部隊なんですね。そこを持ってないのがベンチャーからすると一番の弱みなんですけどね。逆にそういう人たちを必要としないモデルの方が成功しないことが多いので逆に持ってるからこその強みは、自分たちの強みだと思ってないことが多い。なので、非常に面白いなと思っています。

 

鈴谷瑞樹

ファブラボ阿蘇南小国所属。3Dプリンタ、レーザーカッター、CNCミリングマシンなどの機器を駆使し、地方のものづくりを応援したり、中小企業の様々な課題を解決する製品ベンチャー企業の製品開発や、アーティストの作品制作支援を行う。

聞き手:伴ちひろ (リ・パブリック インターン)

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