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参加者インタビュー②〜県外参加者編〜

「未来」でも「先」の話でもない、「楽観的な本質」について

第二弾はは東京から県外参加者としてきている松下文哉(まつした ふみや)さんにお話を伺いました。装置製造・部品加工のサンワハイテック社のチームで活躍する松下さんは、常に前向きな姿勢で議論をリードする存在です。

 

ー 松下さんは農家出身だとか。自己紹介をお願いします。

出身はかなり過疎な田舎です。大学から東京に出て、転勤で海外に働いていたこともあるんですけど、基本的にはずっと東京です。会社は大手ゼネコンにいたんですけど、10月から東京大学で研究員をしています。

このプログラムに参加をしようと思ったのは、同僚に誘われたっていうのが一番のきっかけです。参加した決め手になったのは勤めていた会社で働き方改革が進められていたんですけど、自分としては「働けない改革」になっていると思っていて。そこに少し物足りなさがありました。

後は、近頃シェアリングエコノミーをはじめとする、シェアしていくものが多いじゃいないですか。だから、自分が持っている能力も将来シェアされていくのかなっていう、なんとなくの感覚があったんです。その時に「シェアした能力をどういう風に使っていくのか」「どういう風な働き方を自分はできるのかな」っていう実験として参加したいと思いました。

でも一番の理由は、このプロジェクトの仕組みで実際に成果を上げれるのかな、という疑問です。僕は東京に住んでいるので距離的な問題もあるし、プログラムとしての時間も短い中で研修以外に集まる時間もある。そんな中で、熊本という現場に月一で来たり、チャットワークみたいなネット上のやり取りだけで本当にものとかサービスが作れるのかなって。挑戦してみたいという気持ちになったのがきっかけです。

ー 距離は難しいところがありますよね。オンラインでの連絡は大変ですか?

うーん、時間を決めて会うって言ったら、その時間に基本的にいくじゃないですか。オンラインのいつでもできますよっていう環境は自分の時間を作って参加するっていうのがなかなかできないかなっていう。だから本当に結構強い意志っていうのがないと、置き去りにされていくかなと思います。一方で、今回みたいなプログラムでは、10月とか11月とかその実際に会うっていうのと、実際にそこまでに宿題が出されているので、参加者がしっかり動くけるようになっているのかなって。

僕も、なるべくやろうとは思ってるんですけれども、オンラインツールでのやり取りはコミットメントを下げてる感覚があるので、文字で会話するよりは電話を利用することが多いです。

ー 確かに、松下さんのチームは実際に会ってる時の議論がかなり活発ですよね。参加する中で他にも気づきはありますか?

思っていたよりも、一人の生活者として話せることはたくさんあるなって。技術の話や新規事業でやろうとしているものの話は自分の専門とは畑違いなんだけど、「欲しいの?欲しくないの?」っていうのを基準に話せるところがたくさんある。そこに、チームの山下社長が「作れるか、作れないか」を判断してくれるのでチームワークとしてもいいなと思ってます。同じチームの宮崎さん(県外参加者)も同世代でとっても面白くて話しやすいです。

発表するサンワハイテックチーム

ー メンター陣のコメントで印象に残っているものはありますか?

特に若林さんが面白いです。前、うちのチームじゃないですけど「100年保つ建物って大切なの?」っていう問いがあって。ゼネコンで働いていたので、自分も考えたことのあったのですが、そういう風に考えてる人って他にも居たんだなって勇気付けられました。今から作っていくものに対して、「それって本当にその先必要なのか」っていう視点は、先を見て話されてる感がすごくいいなと思いました。

ー このプログラムで未来の話をすることは結構ありますよね。

そうですね、でも彼らが話している「先」は「未来」とはまた違う気がするんですよね。単純に未来の課題に対する解決策の話をしているだけじゃなくて、「先」について話されてる。若林さんだけでなく、他のメンターの方と話していてもすごく感じるんです。なんて言ったらいいんだろう。うーん、一言で表すと、「楽観的な本質」でしょうか。

— なるほど、わかるようでわからないような…?詳しく「楽観的な本質」 について教えてください。

そうですよね(笑)未来っていうのは結果として作られるものであって、作るものでは無いのかなって思うんです。過去の積み重ね、今までの集合体が未来という感覚があります。だから、未来を語る言葉にはいつも違和感を覚えてしまうんです。

でも、メンターのみなさんが語る「未来」は、それとはちょっと違うのかなと。では、彼らが話していることは何であるか。そこで見えてきた言葉が「楽観的な本質」なんです。

例えば、僕は農家出身なんですけど、農業をビジネスという文脈で話されることにすごく違和感を持っています。なぜなら農業は自分たちにとってお金儲けの道具ではなく、生活そのものだからです。自分たちの食料を自分たちで生産して、そこで余ったものを周りの人におすそ分けする。そういう文化的な営みとして農業はあって、僕たちにとってはそれが本質なんです。でもその「本質」というのはその人たちが置かれてる立場や文化によって変わっていくものであり、絶対的な本質がそこに存在しているわけではないのかなって。

そして、人によって異なってしまう「本質」の中でもメンター陣が話すものには共通して「楽観的」な視点があると感じました。楽観的とは言えども、何も考えていない、心配していない、という意味ではなく、ポジティブな本質を見つめているという意味です。時代の節目というのはいつも先が見えなくて、まさに「茨の道」だと思うのですが、その時にどういう道に進んでいくかを考えた時に「こっちに行けば明るいに違いない!」ってある種気楽な感じで、「楽観的」じゃないとできないんじゃないかって思うんです。メンター陣の方々はそんな「楽観的な本質」を伝えてくれてるんじゃないかなと思います。

聞き手:伴ちひろ (リ・パブリック インターン)

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