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チーム活動レポート② 株式会社熊本日日新聞社

2019年度のProject 180のそれぞれのチーム活動について「チーム活動レポート」シリーズでお伝えしていきます。2本目となる今回は、株式会社熊本日日新聞社チームの皆さんのふりかえりです。(取材は2020年1月に行いました)


地域コミュニティとつながり直す

今回、Project 180で議論するなかで出てきたテーマは「次世代育成」。地域に根ざしているメディアだからこそ、将来を担う若い人たちに向けてどんな事業が可能なのかを模索した。

熊本ヒーローアカデミア

新たな事業案の「ヒーローアカデミア」に思い至った経緯はどんなものだったのですか?

永野:「熊本ヒーローアカデミア プロジェクト」という構想に至った背景は、ひとつは人口減少や高齢化の進展などによって熊本のコ ミュニティの一体感の低下が予想されるということがあります。もうひとつは、今回行った社員アンケートで2/3以上の社員が地域への貢献や課題解決を熊日の使命と感じているとわかったことがあります。

山部: 新聞をつくるだけではなく地域へ貢献するためにできることを しなくては、とこんなに多くの社員が考えているとは思っていなかったです。チームで地域の未来を話し合っていくと、やは り未来を担う若い人たちとどう関わりを持っていけるかが大事だよねという話になっていきました。

菊石: はじめの頃は「メディア」として何をするかという意識が強く、地域の情報をもっと共有するために市民ジャーナリスト的に地域の 皆さんと一緒に記事づくりをしていくのはどうかというアイデアがでたりもしていたのですが、最終的には「教育」にテーマを絞ろうとなっていきました。始めの時点では、ほとんど出ていなかった「教育」という 分野にフォーカスしようとなったのは、チームとして重要な決断かつエキサイティングなターニングポイントだったと思います。

山上: メンターの倉成さんが詳しく教えてくれたことでもあるのですが、かつて熊本には、地域の若者を育成する藩校「時習館」があり、そ こでは地域の価値観を大切にした教育が行われており、輩出された 優秀な若者が地域の未来を担うという循環ができていたと伺い、同 様の取り組みができないかと考えました。

永野: 若い人たちが主体的に地域課題に取り組む「次世代研修」 を起点にして、地域に新たなプロジェクトが生まれ、コミュニティの結 束が高まっていくような循環を創っていきたいというアイデアです。

実際に、新規事業として立ち上がっていきそうでしょうか?

永野: 先日、社内でも説明しましたが、具体的にどのような動きがで ていくかは決まっていません。ただ、今回のチームで浮上してきた「教育」というテーマは今後もキーワードになっていくと思っています。

山部: 例えば、昨年熊日が上通にオープンしたコワーキングスペース「びぷれす イノベーションスタジオ」を交流の場にしていこうという流れはでてきているので、イノベーションスタジオと連動させるような動きをつくっていけたらと思っています。

熊日の強みをどう活かしていくか

山部: プログラムの最初で、会社の強みや歴史を見直すところから 入っていったところです。熊日の歴史にどういうものがあったのか、また熊日の強みにはどんなものがあるのか、ということを社会環境の変化や将来予測も取り入れながら、時間をかけて議論したのですが、 改めてあのような機会を持てたのが自分としては大きかったです。私は長年販売一筋できたこともあって、普段は数字ばかりを気にしています。それが、会社のことを改めて見直すことができ、かつサポートメンバーやメンターといった外から見た視点もうかがうことで、より俯瞰的に会社のことを考えられるようになったと思っています。

永野: 私も、会社を見つめ直す機会になりました。日頃は広告表現 や入稿データのチェックを行っており、広告の事はよく見ていましたが、改めて会社の特徴は何かという意識で新聞を見てみると実に様々な人や企業や地域の情報が詰まっているメディアであるという事 に気づかされました。熊日がこれまで歩んできた歴史をサポートメンバーと振り返ると熊日は「熊本のファシリテーター」というキーワードが浮かび上がりそこから一気に加速した気がします。

菊石: 僕は、反省というか悔しい瞬間となりますが、最終発表会で メンターの若林さんに指摘されたところで、新規事業をやる意義とか 社会課題というところよりも、どうやってお金にしていくのかというとこ ろに重点が行きすぎたところです。それよりも、なぜやるのか、どうしてやるのか、という意義のところをもっと粘って考え抜いていくべきだっ たと思っています。

山上: 私は、地域貢献や次世代との接点確保のために次世代育成 事業をやりたい、という熊日さんの想いには強く共感しつつ、それをいかに事業として成立させるかを最後まで悩み続けたことが最も印象に残っています。今回のような研修事業案の場合、受益者である親子や学校から予算をいただくハードルが高いため、営利事業ではな く、公益事業として展開する可能性についても模索しました。

 収益源について悩んでいた際に、メンターの方から“アーカイブツーリズム”というキーワードを出していただいたときのことも印象に 残っています。アーカイブツーリズムとは、熊日さんの強みである過去 の記事や情報、つまり膨大アーカイブを活用して、実はここはこういう 場所だったとか、こういう事があった、こういう人がいる、みたいなことを重ね合わせて、ブラタモリ的な楽しみ方ができる観光を提案しようという考え方です。実際に熊日さんの中でも 、すでに編集者 の方が地域情報を絡めて案内するツアーといった企画が好評だった事例があったようです。最終的にマネタイズ案は詰め切れなかった反省がありますが、こういったキーワードは関係者間でアイデアを共有し、議論を前に進めることに役立つのではないかと感じています。

山部: 熊日の強みと言ったらやはり地域をくまなく「取材」して、地域 の皆さんとのつながりがあることです。その強みをどう活かして事業をつくっていくのか。まだまだ詰めていくべきことは多いですし、これまで の新聞社のビジネスモデルを変えていくことの難しさも実感しています。しかし、チームメンバーの山上さん、菊石さんの熱量と柔軟な思考 ・アイデアに触れ、内部で考えるだけでなく、積極的に外部の方々の 見識をどんどん取り入れていくべきだと気づきました。今後も、様々な世代や職種の方々と話しあい、個人としても、会社としても、新たな取り組みにチャレンジしていけたらと思っています。

 

>>Team member
山部元司(熊本日日新聞社)
永野勝禄(熊本日日新聞社)
菊石和徳(サポートメンバー)
山上早恵(サポートメンバー)

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