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チーム活動レポート④ コムラ苗樹株式会社

2019年度のProject 180のそれぞれのチーム活動について「チーム活動レポート」シリーズでお伝えしていきます。4本目となる今回は、コムラ苗樹株式会社チームの皆さんのふりかえりです。(取材は2020年1月に行いました)


森を守るとはどういうことなのか?

コムラ苗樹は、熊本県球磨郡相良村を拠点に山に植える木の苗木づくりを手掛けている。様々な課題 を抱える森と社会のより良い関係はどうやったらつくれるのだろうか?大きな課題に立ち向かった。

 

山の未来を考える

今回、Project 180には、どんなきっかけで参加を決められたのでしょうか?

小村: 昨年度のプログラムに参加されていた方から教えてもらった のがきっかけです。弊社、コムラ苗樹は、山に植える木の苗木を作って販売しています。近年は、山の整備も行っています。会社の売り上げとしては、伸びてきていますが、林業は担い手が高齢化してて、近くにいる自分からみても、これから山はどうなっていってしまうんだろうという 不安があります。苗木の需要もいずれピークアウトするのではないかと予想しています。ならばその前に、既存事業のブラッシュアップや新規事業を立ち上げたいと考えたのがきっかけです。

 

小村さんはいつも山のことを考えていらして、チームメンバーとは 知識や経験の差があったと思いますが、そこは問題にならなかったのですか?

小村: 私は、むしろそこが良いと思っていました。知識の差があるの は当たり前です。それより業界にいると見えない意見、言えない意見 をいただきたいと思っていました。なので、自分としてもダメだしはなるべくせず、みんなの意見を引き出すことを自分に求めていました。

大橋: 会った初日に「ぼくは林業については考え尽くしているから、他の人の意見がほしい」とはっきりおっしゃっていましたよね。

横手: その初日に実際に小村さんのところまで車で3時間かけて行って、その後もたくさん議論させていただきました。自分の会社でも紙や木を使う文具や家具を作っているのでそれなりに山や森の課題について知っているつもりでしたが、表面的なことしか解ってなかったなぁと痛感しました。

大橋: そして、当たり前ですけれど、小村さんにとっては日々取り組ま なくてはならない仕事や課題と隣り合わせです。そこに寄り添うのが 難しかったです。それこそ、私たちは現場を知らないし、感触も掴めていないわけです。歯がゆさもありましたが、小村さんがオープンな姿勢でいてくれたのもあり、最初から最後まで楽しく取り組めました。

高森: ぼくは熊本の出身で、一度帰省時にプライベートで人吉に伺って小村さんに山を案内していただきました。たった半日でしたが、やっぱり現場をみると理解が深まります。簡単に、森に人を呼ぼうよとか言えなくなりました。西粟倉や飛騨などの先進事例も調べましたが、どこも長い時間をかけて取り組んでいることがわかりました。

荒れた森を美しい森へ

今回、チームの皆さんで考えた事業アイデアはどういうものですか?

小村:「人吉・球磨 もりびとプロジェクト」というものです。簡単に言うと、森づくりの情報(もりびと通信)や体験(もりの体験・イベント)、 モノ(もりのプロダクト)を通じて、人吉・球磨と都会に住む人たちをつなぐ試みです。

高森:「森と人がつながる 〜森がととのう、人もととのう〜」がキャッ チコピーです。都会の人に林業の課題や森の実態を学んでいたき、実際に人吉・球磨の空気にも触れていただくことで、森が整備されて整い、関わっていただく皆さんの心も落ち着いて整うような事業にしていきたいという願いを込めています。

 

横手: チームの議論のなかでも、いろいろアイデアはでてきましたが、大事なのはお客
さんとなってくださる皆さんとの関係性だと思っています。ただ「モノ」を買ってもらって終わ り で は な く 、年 間 を通じて小冊子や贈り物が届くとか、森の手 入れ体験に来ていただけるだとか、森をより身近に感じてもらえる楽 しい仕掛けを継続的に提供していける仕組みをつくることです。 大橋:私たちは「もりびと権」と呼んでいるのですが、クラウドファン ディングで森を共同購入して、仕組みを作るのが大事なのではない かと思っています。 小村:最初の目標として、捨てられてしまう杉を活用したクリスマス ツリーを届けられるのかどうか、大きさとかデザインとか値段とかを考 え始めているところです。

 

メンターからもいろんなコメントやアドバイスをいただいていましたよね。

高森: 最終発表の時の若林さんのコメントだったと思いますが、そ れって誰のためになるんだっけ? 森って守る必要があるんだっけ? そもそも、人吉球磨の価値向上につながるんだっけ? という問いかけは強く印象に残っています。

小村:「そんなに大変なら、やめちゃえばいいのに」ですからね(笑)。でも、「森を守ろう」と言ったところで、自然環境としての森を守っていく話なのか、林業をサステナブルにしていくための話なのかで意味が変わってきてしまうというのは確かにそうで、言葉の定義からしっかり考えるようになりました。

プログラムを経験して、何か日々の仕事や考え方に変化はありましたか?

小村: 日々の仕事をやっていると、まわすことに追われてしまって、何でやるのかとか、意味みたいなものを考えることが後回しになってしま います。チームの皆さんが主体的に考えて議論してくれたのが大きい です。僕自身が林業をやりはじめた頃の思いを思い出させてくれたというか。

大橋: え、そんな風に思っていたんですか?でも、嬉しいです。

小村: あとは、自然林って何だろうと考えるようになりました。その土地にもともと生えていたものは何かとか、固有種を植えようとか。全国的にそうした動きもあるのですが、自分の仕事のなかでも固有に埋まっているものをみながら提案するなど、幅が広がってきたかもしれません。

 

Team member
小村 哲典(コムラ苗樹 代表取締役)
大橋 まり(サポートメンバー)
高森 昴大(サポートメンバー)
横手 綾美(サポートメンバー)

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