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第4期の最終報告会を実施しました!

12月11〜12日の週末2日間をかけて、集合研修③と第4期の最終報告会を実施しました。9月から始まったProject180ですが、あっという間だったこの約4ヶ月間。最終日は、ほぼ全ての第4期生に現地参加していただき、1ヶ月以上ぶりに各社の事業アイデアの発展をみたメンターから、かつてないほどの賛辞の声が挙がりました。昨年に続くコロナ禍での実施でしたが、4年目の今年で最後となるProject180の到達点がくっきりと見えた、素晴らしい時間となりました。

1日目は、翌日のプレゼンテーションに向けた最後の準備でした。どのチームも真剣な面持ちで議論を交わし、メンターからも親身になったアドバイスがありました。最後の最後まで忌憚のない意見をぶつけるメンターに対して、直前で事業アイデアに変更を余儀なくされる場面も。

当日の朝まで納得のいくまで徹底的に話す姿に、妥協は一切ありません。

2日目、Project180を主催する熊本県の産業支援課からはじめの挨拶があり、さっそく各社プレゼンテーションです。発表時間は10分、その後20分間をかけて、参加者からの質問やメンター陣からのフィードバックがありました。

「スキルや教育機会の提供に終始してはいけない。ギブすると同時に、企業が顧客から受け取れるものはたくさんある。肩入れしたいステークホルダーがいるならば、まずは彼らを信じるところから始めよう」

「歴史のある企業であればあるほど、ある種のプロフェッショナリズムがある。それは既存事業にとっては不可欠であっても、新規事業の創出においては、足を引っ張っているのかもしれない」

「職を生むとは、雇用を生むことではない。若者や意欲的な人材に光を当てることは、特権的な地位を持つ企業にしかできない。未来への勇気ある投資は、企業への評価となって返ってくる」

メンターからの貴重なフィードバックは個別のアドバイスに留まることなく、全てのアイデアにとって示唆的で、最終発表を終えてもなお、事業に反映させる気付きを得たチームも多かったのではないでしょうか。

Project180は、熊本企業が県外パートナーと共に新規事業の創出を目指すプログラムです。自社のビジョンやパーパスについて県外パートナーと徹底的に話し合い、そこへ向かうための手段の一つが、発表したアイデアです。

これまでの議論でなんども行ったり来たりしたことからも分かるように、そのアイデアは暫定的なものでしかありません。何よりも重要なことは、Project180で続けてきた議論を終わらせず、続けていくことです。そのためには、引き続き県外パートナーが力になれることもあるでしょう。一方で、熊本企業が彼らの役割を持ち帰り、自社で持続・発展的に続けていく仕組みや努力も必要です。

現代から未来にかけた新しい働き方が垣間見えるような、マイクロビジネスやコミュニティの持続可能性が窺える発表が多かったのは、第4期の特徴です。それらを実現するためには、Project180でしてきた議論、つまりコミュニケーションが鍵になります。

「震えた。4年やってきて、一つの到達点だと思う」トリを飾ったチームに、メンター陣からは驚きの声が挙がった。

モノからコト、サービス、最近ではストーリーなんていう言い方もされますが、ある時代における商売道具に主流はあれど、パキッと移り変わるものではありません。しかし、大手企業をはじめ、パーパスを定める動きが盛んになっている昨今、会社の価値の言語化は、今後ますます必要とされるはずです。

そうした時代にあって、Project180でしつこいほど続けてきた議論は、それ自体が価値であることは間違いありません。「プロセスが大切」と言ってしまえば月並みな表現に聞こえるかもしれませんが、そのプロセス自体を企業のアセットとして外部に提供することは、未だ未踏の荒野であり、誰もその方法は知りません。

だからこそ、議論を続ける必要があるのです。自分や企業を磨く。そのために、人の話や一つ一つの言葉に耳を傾ける。問い返す。

言葉は借り物です。誰しもが平等に使えるからこそ、自分の言葉で話すのは容易ではありません。

「これまで考えたことのないことを考えるのは、本当に大変。1人ではできないからこそ対話が必要。Project180の意義は、まさにそこにある」

4期にご参加いただいた皆様、この4ヶ月間、本当にお疲れさまでした。そして、厳しい言葉をかけると同時に、常に参加者に寄り添ってくださったメンターの方々も、ありがとうございました。Project180の開催にあたって、各研修でお話を聞かせてくださった方々やご協力いただいた皆様へも、深く御礼申し上げます。

各チームの歩みは、この先も形を変えて、きっと続いていくと思います。皆さんの未来の活躍ぶりが楽しみです。

4年続いたProject180は今年で終わります。多くの方から「なくなってしまうのはもったいない」「どうにか別の形でもいいから続いてほしい」という言葉を掛けていただきました。

熊本企業は全30社、県外パートナーは64名。総勢109名。4年間で生まれた横の繋がりが途絶えてしまわないように、そして期を跨いだ交流の機会を作るべく、Project180の集大成となるウェブサイトの制作を進めています。どうぞご期待ください。

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