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チーム活動レポート① 株式会社利他フーズ

2019年度のProject 180のそれぞれのチーム活動について「チーム活動レポート」シリーズでお伝えします。第一弾は、利他フーズチームです。(取材は2020年1月に行いました)


これまでにない新たなペット向け商品をつくる

利他フーズは、「馬刺し・あか牛」をメインとした九州の特産品の通信販売、馬肉を使用したプレミアム ペットフードの通信販売を手がける。スピード感のある動きで、新たな商品企画が生まれた。

Design: Nobuaki Fujimoto

半年で新たな商品をつくりあげる

利他フーズチームは、4 ヶ月のプログラムが終了し、1ヶ月が経つ 現時点で、すでに新商品のリリースが間近となっていますね。この スピード感のある事業づくりはどうして可能になったのでしょうか?

猪本: ひとつは、プログラムが始まるにあたって、私自身が4 ヶ月のプ ログラムのなかで新しい商品を生み出そうと思っており、それを始め からチームメンバーにも伝えていたことがあります。その上で、メンバーとなった小牧さん、土居さんが熱意で応えてくれたというか、3人でアイデアを重ね合わせながら、それぞれの強みを活かしながら実現にむけて動けたというのが一番の理由だと思います。普通、新しいチーム となると信頼関係を築くところから始まると思うのですが、今回メン バーになってくれた2人は最初から前向きな気持ちがあり、スピード感 を持って動くことができました。

 

どのような商品になるのでしょうか?

猪本: ペットの犬を対象とした、食用のヘルシーホースオイルです。もともと利他フーズのメイン事業は馬肉の通信販売であり、馬肉をつかったペットフード事業も立ち上げ、順調に売り上げも伸びているの ですが、今回はワンちゃん向けの天然馬油ということで、これまでにない商品になります。正直なところ、プログラム開始当時は、このような事業アイデアになるとは予想していなくて、2人と調査したり、議論するなかで生まれてきた企画です。

3人揃って久留米のメーカーのスニーカーを履いているなど、とても 仲の良いチームのように見受けられましたが

土居: そうですね。年齢層も近く、全員がお酒好きということで、議論 もそうですが、プログラム中、よく飲みました(笑)。4 ヶ月のプログラム で4回の週末しかないということで、宿泊もAirBnBで広いところに泊ま り、プログラムの時間以外にも議論を続けました。最終発表の前の日 などは、利他フーズのオフィスのすぐ近くに泊まることにして、遅くまで オフィスで作業できたのも良かったです。まあ、飲んでいる時間も長 かったですが(笑) 小牧:年齢が近い先輩後輩みたいな感じでしたよね。それでもお互 い遠慮することなく「そこどうなの?」とつっこみあっていました。自分は、普段の仕事では自分からどんどん意見を言ってという感じなので すが、このチームでは静かめというかネガティブ要素を確認したりつ ぶしていくという、普段とは違う役回りだったのも新鮮でした。

猪本: お酒好きというのは大きかったかもですね。自分としては、小 牧さん、土居さんがアイデアのところだけではなく、社内にはないネッ トワークや文 化みたいなものをもたらしてくれたのが 新 鮮でした。 例えば、今回の新商品のデザインに関しても、新たなつながりからお願いしているのですが、発見や学びがあります。2人が所属している会社は、利他フーズからすると大先輩といえる歴史ある会社なので、企業文化や仕事の進め方からも学ぶことがありました。

熊本で得た新たな気づき

サポーターのお二人に伺います。熊本に通ってみて、何か新しい気づ きとか普段の仕事が変わったとかはありますか?

土居: 熊本に通ってみて気づいたのは、活用できるものの豊かさです。今働いている東京のような大都市は、人的リソースとか金銭的なスケール拡大にはいいかもしれませんが、熊本のような地域は、新しいものをつくりたいとなった時に、原料とか加工する施設とか豊かなリソースが近くにたくさんありますよね。もともと自分は日本酒に興味があり、学生の時の研究で遠野の蔵元に通っていたこともあったので、再認識に近いかもしれません。地方都市は、人口減などマイナスの変化に目がいきがちですが、もしかしたらプラスの変化も動き出せば早いのかもしれないとも感じました。

小牧: 僕は、普段の仕事への取り組み方が変わったと思います。もと もとゴリゴリ仕事をやっている方だと思っていたのですが、今回皆さ んとやらせていただき、上には上がいるというか、もっとやれるかもし れないと思うようになりました。直近の出張でも、ある新製品の生産 ラインを立ち上げる仕事だったのですが、自分の業務の範囲を飛び 越えて、設計の人に意見を言ったり、仕様の変更を画策したり、今ま での自分にはなかった動きをしていました。

 

4ヶ月のプログラムのなかで、何が大変でしたか?

猪本: 最初はいろんなアイデアが出てきていました。せっかく社外の 皆さんとやるということですし、初めは制約を設けたくないなと思って はいましたが、はじめの頃は、どうなることか、本当に実現にたどりつく のかという不安もありました。 例えば、はじめの頃は人を対象とした新商品(女性を対象としたコ スメ商品)を考えていたのですが、途中でペットを対象に、これまでに ないものを作れるのではないかという方向にシフトしました。メンター の山田さんの「飲むのはどうだろうか?」というアドバイス、そして犬を 飼っていた経験のあるメンターの鈴谷さんの「老犬に肉を与えたら元 気になった」というお話も印象的でした。これまでにない商品なので、 本当に売れるのかという不安がないと言えば嘘になりますが、ある程 度いけるのではないかと思っています。

土居: 個人的には、いま猪本さんがおっしゃっていた「この商品は本 当に利益を生み出せるのか」「この製品を作ることに意味があるの か」というビジネスの不確実性を感じること自体が普段の仕事とは異 なる新しい経験でした。進め方については、決裁権がある社長がチー ムにいたことで、非常にスムーズに意思決定ができたと感じています。

小牧: 現在は、ウェブサイトや容器のデザインなどを詰めているところです。ぜひワンちゃんの家族がいらっしゃる皆さんには試していただきたいです。

 

Team member
猪本真也(利他フーズ 代表
小牧弘和(サポートメンバー)
土居将之(サポートメンバー)

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