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第4期のリモート研修②を実施しました!

11月3日の水曜日(祝日)、第4期のリモート研修②を実施しました!これまでの研修で、事業ビジョンを掲げるために必要なステークホルダーやマテリアリティ(重要課題)について議論を重ね、少しずつその輪郭が見えてきた第4期生。本研修では、ビジョンに向かっていくためのアイデアを実際の形に落とし込んでいくプロセスを実践しました。スピーディかつ実践的な事業創造エクササイズ、Project180の第2フェーズです。

アイデアそのものの良し悪しではなく、望んでいる未来へのステップとして有効に働くかどうかが重要な判断基準です。具体的なアイデアとメンタルモデル(新しい価値観や習慣、行動を生むための土台)の間を行き来しながら、その先には決して揺らぐことがない事業ビジョンを据えておく。

これまでのおよそ2ヶ月間をかけて、事業ビジョンについて考え抜いてきた各社。複数のアイデアがある企業も、まずは1つの最も有力な案に絞るところまでで午前中を終えました。

午後からは、Project180のメンターの一人である山口高弘講師による講義と演習です。新規事業に関する総合サービスを提供しているGOB Incubation Partners Inc.の代表である山口氏は、これまでに100以上の起業、事業開発を支援してきたエキスパート。

元アスリートという経歴から事業創造支援の現場に身を置くことになるまでの経緯を、山口氏の体験を混じえてお話頂いた後は、事業創造のエッセンスについて学ぶレクチャーを受けました。

新規事業を創造する上で、明確なビジョンが必要であることはこれまでの研修を通して学び、多くの議論を重ねてきました。しかし、もう一つの不可欠な要素として「現状」を把握する必要もあるといいます。

両方を正しく知ることではじめて、その間にあるギャップが見えてくる。そして、そのギャップにもがく原因は顧客ではなく、市場(業界)というシステムにある。更には、そのシステムの欠陥が社会課題を引き起こしています。

業界を中心として、顧客と社会の両方を貫く一連のストーリーを紡ぐことが、新規事業を生み出すはじめの第一歩です。しかし、事業がスケールするためにはもう1つ大切な条件があるそう。それは「業界の前提を覆しているか」どうかです。しかし同時に、その前提は業界における「成功の条件」でもあるというのが困難でもあります。

業界の成功要因と壁を作っている要因は一致している。つまり、業界に新しい風を吹かせるためには、同時にその壁を壊していく必要があることを学びました。

会話を交わさない美容院。調理場がないレストラン。プログラムを提供しないフィットネスクラブ。

数々の事例を取り上げて頂きながら、極めてロジカルかつ明快なレクチャーを受けたあとは、実際に手を動かしていく演習の時間です。アイデアを考える際、頭でっかちのまま空中戦になってしまわないためにも、ヘッドトゥハンドではなくハンドトゥヘッドの意識を持って、今日の学びを早速自社のアイデアに適用していきました。

業界の壁に穴をあけ、潜在顧客に新しい商品やサービスを届ける。そのために必要となるのがドリル、つまり新たな市場ドメインです。新規事業を作るということは、一言で言えば新たな業界をつくること。スーパーマーケットで例えると、新たな売り場をつくることです。

演習の合間では、いくつかの熊本企業が自身のアイデアをもとにワークシートの内容を共有。練りに練ってきた事業ビジョンをブラすことなく、業界に風穴を開けようとする姿勢は、そのクリティカルなアイデアからもひしひしと伝わってきました。

研修の最後には、山口氏から事業アイデアを洗練させていくためのツールとして、他者の声を聞く際のアドバイスを頂きました。新たなアイデアを形にするにあたって、たくさんの人に意見を求める必要があることは言うまでもありません。しかし、その伝え方や、だれにどうやって見せていくかについて一工夫加えることで、事業アイデアはより強固なものとなります。

詳細な資料を作って丁寧に説明することはもちろん大切ですが、場合によっては聞く側の負担となることも。だからこそ、どんな商品であれサービスであれ、1枚のチラシとしてまとめてみる。チラシをつくるようなシチュエーションが想定できないとしても、架空のものとしてとりあえずつくる。その過程で情報に優先順位が付き、アイデアの本質はどこにあって、何を伝えればよいのかが見えてきます。

チラシはあくまで道具。それ自体のクオリティにこだわる必要はありません。これもまたハンドトゥヘッド。「まずは一旦つくってみる」ことは、今回の研修を通した山口氏の一貫したメッセージでもあります。

次回、11月21日(日)の研修も今回と同様にリモートで実施し、引き続き山口氏に入って頂きます。各チームのメンタリングを通して、事業アイデアを業界と顧客、そして社会を貫くような具体性のある1つのストーリーとして語れる状態を目指すことが目的です。第4期のProject180も、残すところおよそ1ヶ月。12月の最終発表に向けたブラッシュアップとプレゼンテーションに磨きをかけていきましょう!

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